千島海溝・日本海溝で想定の巨大地震 救助救援計画まとまる

北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」で想定される巨大地震の被災地域で救助活動を行ったり救援物資を送り届けたりするための国の計画がまとまりました。
特に甚大な被害が及ぶ北日本を中心に、被災地からの要請を待たずに全国からの支援を速やかに開始するとしています。

政府の中央防災会議は23日、関係省庁の幹部などで作る幹事会で、北海道から岩手県にかけての「千島海溝」と「日本海溝」で想定される巨大地震と津波についての応急活動の計画をまとめました。

それによりますと、緊急輸送ルートの確保のほか、救助や消火などの部隊運用、医療活動、救援物資の輸送、燃料供給、電力・ガス通信の7つの項目について、人命救助にとって重要な災害発生から72時間を1つの区切りとして「タイムライン」と呼ばれる時系列の行動目標を定めています。

このうち、救助活動などにあたる部隊は全国から警察と消防、自衛隊から最大でおよそ15万人を特に甚大な被害が想定される北海道と青森県、岩手県、それに宮城県へ派遣します。

特に冬には厳しい寒さや積雪が見込まれるため、緊急輸送道路の除雪を計画的に行って状況を報告し、派遣される部隊ごとに冬用タイヤなどの装備を準備するとしています。

陸路で移動が難しい北海道へは、民間のフェリーや航空機も使って人命救助の部隊を最優先で送り届ける計画です。

また、水や食料のほか、毛布や簡易トイレ、それに生理用品などの救援物資は被災地からの要請を待たず国と関係業界などが調達して輸送を開始し、備蓄が枯渇するおそれがある発生後3日目までには被災地の拠点に届くようにするほか、防寒着や暖房器具など寒冷地に特化した物資の支援も行うとしています。

国は年度内に今回の計画に基づいた広域での訓練を実施することにしています。