お盆の時期つり下げて飾る「お盆とうろう」作り本格的に始まる

お盆の時期に、墓の前や仏壇につり下げて飾る、「お盆とうろう」と呼ばれるもなか作りが、青森県鶴田町で7日から本格的に始まりました。

「お盆とうろう」は、もち米とコーンスターチを材料にしたもなかで、津軽地方や下北地方では、野菜や果物などの供物の代わりに墓の前や仏壇に飾って、お盆を迎える風習があります。

鶴田町にあるサトウ商事は、県内で唯一、「お盆とうろう」をつくっている業者で、きょうから本格的な作業が始まりました。

お盆とうろうにはさまざまな色があり、作業は着色した生地を蒸し上げたあと冷蔵庫で冷やして固めてから2センチほどの大きさに切ってチップ状にします。

これを専用の金型に入れて、ゆっくり焼き上げると花や仏像の形をしたもなかができ、2つのもなかを紙のひもでつなげると「お盆とうろう」が完成します。

作業は、5月下旬まで続き、20万個から30万個のお盆とうろうを作って、県内をはじめ、一部に同じような風習が残る北海道や秋田県などに出荷するということです。

作業を担当する伊藤武仁さんは、「古くから伝わるものなので伝統をなくさないように心を込めて作業しています。ぜひスーパーなどで手に取ってみてほしいです」と話していました。