持続可能な社会実現へ 全日空機にりんご搾りかす材料の革導入
全日空は、持続可能な社会の実現に向けたさまざまな技術を活用した旅客機を3日公開し、座席には青森県のスタートアップ企業が開発したりんごの搾りかすを使った人工の革が取り入れられています。
東京 羽田空港で3日、報道陣に公開されたのは、全日空が5日から国際線で運航を始める特別塗装機で、緑を基調とするデザインが施されています。
機体には、持続可能な社会の実現に向けたさまざまな技術が活用され、表面の一部には空気抵抗を抑え燃料の消費削減を目指し細かな凹凸があるいわゆる“サメ肌”のフィルムが貼られています。
機内の一部の座席には、ヘッドレストのカバーに青森県のスタートアップ企業「appcycle」が特産のりんごの搾りかすを材料に開発した人工の革が採用されています。
動物由来ではない素材を利用した革は、「ヴィーガンレザー」と呼ばれ世界で注目されています。
「appcycle」の代表、重野由佳さんは「リンゴのフードロスの課題解決につなげるため、リンゴの搾りかすを乾燥させたものを活用した革を開発した。青森から出たこの製品を世界の人にも見てもらいたい」と話しています。
全日空の井上慎一社長は「りんごの搾りかすから皮革を作るアメイジングな取り組みで、革に近いクオリティーの高い素材だ。この機体はオープンイノベーションのような形で、日本の技術を総結集した事例として世の中にアピールしたい」と話しています。