神奈川県と井川町のメーカー 洋上風力発電「航空障害灯」開発

秋田県沖で導入が進む洋上風力発電の産業に参入しようと、神奈川県と井川町のメーカーが風車に設置する設備、「航空障害灯」を共同で開発しました。

風車に取り付けられる「航空障害灯」は、飛行中の航空機の安全のために風車などの存在を知らせるもので、60メートルを超える建造物に取り付けることが義務づけられています。

この設備を洋上風力発電でも展開しようと、飛行場の照明設備などの生産を主力とする神奈川県の会社は、制御盤などの設計開発を手がける井川町のメーカーと協力して、おととし5月から開発を進めてきました。

今回開発した新たな製品は、重さがおよそ12キロと従来の製品より10キロ軽いため、交換やメンテナンスがしやすく、雷による高電圧にも耐えられるのが特徴です。

洋上風力に関連する製品や部品は、ほぼすべてが海外製で占められ、部品の国産化が課題となっていて、県内企業でも参入を目指す動きが活発化しています。

県庁で開かれた会見で神奈川県のメーカー、「日本光機工業」の石崎康充社長は「海外メーカーの風車にも適する製品が完成したことは大きな一歩だ。洋上風力が進む秋田県内に生産拠点があることで、スピーディーな維持管理なども対応できる」と述べました。

井川町のメーカー、「アイセス」の齊藤徹社長は「製品の量産化に向けて工場の拡張や人材の教育も始めている。県や地域に貢献するとともに洋上風力の分野に参入していきたい」と述べました。