鹿角市で不明の男性捜索中 消防署員がタケノコ採り 口頭注意

先月、鹿角市の山林で倒れていた男性の遺体を運び出そうとしていた警察官2人がクマに襲われた被害で、当時、男性を捜索していた消防署員が、現場付近でタケノコ採りをしていたことが分かり、所属する消防本部はこの署員を口頭で注意しました。

鹿角広域行政組合消防本部によりますと、この消防署員は、先月15日からタケノコ採りで鹿角市十和田大湯の山に入り、行方不明になっていた男性の捜索活動にあたっていました。

そして捜索2日目の先月16日、昼の休憩中、現場指揮本部からトイレへ行こうとした際、タケノコが生えているのが目に入り、数本採ってしまったということです。

現場付近では先月18日に倒れていた男性の遺体が見つかり、運び出そうとしていた警察官2人がクマに襲われたため、遺体は重機を使って先月22日に収容されました。

消防本部の聞き取りに対し、消防署員は「大変申し訳ありません」と話しているということです。

消防本部は「男性の家族の気持ちを考えれば不適切な行動だ」として、この署員を今月14日付けで口頭注意としました。

鹿角広域行政組合消防本部の本田浩之警防予防課長はNHKの取材に対し、「今後このようなことがないよう要請者の気持ちを考慮し、心情に配慮した現場活動に努めていきたい」と話しています。