揺れる列車内で軽い運動 エネルギー消費が健康増進に 秋田

走行中の揺れる列車内で、軽い運動をすると通常より多くのエネルギーを消費し、健康増進にも一役買うことが秋田市の専門学校の実証実験で明らかになり、18日、秋田内陸線の列車内で学生らによるデモンストレーションが行われました。

この実証実験は、沿線住民の高齢化が進むなか、列車へ乗ることで身体機能の維持や改善につなげようと、秋田内陸線を運行する第三セクターの秋田内陸縦貫鉄道が企画しました。

企画に協力したのは秋田市の理学療法士を養成する専門学校で18日は北秋田市の阿仁合駅で共同で記者会見を開き、去年8月に行った実験の内容や結果について説明しました。

このあと学生らが列車に乗って、実験の、デモンストレーションを行いました。

実験は走行する列車内で▽立った状態、▽軽いスクワット、▽かかと上げ、▽足踏みを行い学校の研究室で行った時とのエネルギーの消費量を比較したということです。

その結果、列車内のほうが研究室に比べて▽かかと上げで10%、▽軽いスクワットで20%、▽足踏みで30%、エネルギーの消費量が増えたということです。

また、立っているだけでも列車の進行方向に向かって▽前向きでは20%、▽横向きでは50%、エネルギーの消費量が増加したということで、専門学校では列車の揺れに耐えることで無意識に全身の筋肉を使い、運動になっていると分析していました。

実験に協力した秋田リハビリテーション学院の福原隆志専任教諭は「こうした研究をしたのは、全国でも初めてではないか。今回の調査で課題も見えてきたので、研究を続けていきたい」と話していました。

秋田内陸縦貫鉄道の吉田裕幸社長は、「この取り組みが知られることで地域のブランドが高まり、全国から注目されて秋田に人が来てくれればうれしい」と話していました。