羽後町 伝統野菜「貝沢ふくだち菜」の収穫始まる

雪どけとともに青々と葉や茎を伸ばし、春を告げる野菜として知られる羽後町の伝統野菜「貝沢ふくだち菜」の収穫が始まりました。

「貝沢ふくだち菜」は、古くから栽培され、地域の食文化を形づくってきたなどとして県が39品目を選定している「あきた伝統野菜」のひとつで、現在は羽後町の貝沢地区の数軒の農家で栽培されています。

このうち、中川文子さん(66)の畑でも今月に入って「貝沢ふくだち菜」が20センチほどに育ち、中川さんがはさみを使って丁寧に摘み取っていました。

「貝沢ふくだち菜」は、前年の秋に芽を出したあと雪の下で冬を過ごし、雪どけとともに葉や茎が育ちますが、ことしは雪が少なかった影響で生育が早く、いつもの年より2週間ほど早く収穫が始まったということです。

また、この時期は花芽が付いた茎の甘みが増してくるということで、おひたしなどとして食卓を彩り、わずかなほろ苦さが甘みをいっそう引き立たせるということです。

中川さんは「緑が濃く、野菜の甘さが凝縮していて春の到来を感じさせてくれます。今後も作り続けていきたいです」と話していました。

「貝沢ふくだち菜」の収穫は、来月上旬まで続き、地元の道の駅で販売されています。