ファミリーマートとローソン 商品の共同輸送始める

トラックドライバーの時間外労働に上限規制が適用される、物流の「2024年問題」に対応しようと、コンビニ大手のファミリーマートとローソンは11日から秋田県に向けて商品の共同輸送を始めました。

ファミリーマートとローソンの共同輸送は、宮城県と岩手県にあるそれぞれの物流拠点から秋田県の物流拠点まで双方の商品を1台のトラックで運ぶ試みで11日から始まりました。

初日の11日、トラックの出発地にあたる宮城県多賀城市にあるファミリーマートの物流拠点では中華まんや揚げ物などの冷凍食品が入った段ボールを車両に積み込んだあと、盛岡市のローソンの物流拠点に向けて出発していきました。

共同輸送はアイスクリームや冷凍食品などの商品を対象に輸送量が比較的安定する4月から6月までと9月から11月までの間、輸送する車両にスペースがある場合に最大週3日程度行う予定だということです。

トラックドライバーの時間外労働に上限規制が適用される、物流の2024年問題に共同で対応した動きで、競合するコンビニ大手が実証実験を除いて本格的に共同輸送を行うのは今回が初めてだということです。

ファミリーマート広報部の吉澤智さんは「東北の共同輸送で得られた効果を検証しながら、ほかの地域への拡大も今後検討していきたい」と話していました。

共同輸送は具体的にはどのようなかたちで行われるのでしょうか。

これまでは、ファミリーマートが宮城県多賀城市の物流拠点から、ローソンは盛岡市の物流拠点から、それぞれ委託した運送会社のトラックが出発し、秋田市にあるそれぞれの物流拠点に商品を運んでいました。

新たな取り組みでは両社が委託した運送会社が多賀城市にあるファミリーマートの拠点を出発後、盛岡市にあるローソンの物流拠点でも荷物を積み込み、秋田市のそれぞれの物流拠点で荷下ろしをすることになります。

物流の「2024年問題」を受けて両社が輸送の効率化を検討していたところ、秋田県内で重複するルートが確認されたため共同輸送が実現したということです。

ファミリーマートによりますと、この取り組みで1か月あたりのトラックの利用を最大で10台ほど減らすことができ、トラックドライバーの労働時間の削減にもつながるとしています。

また、二酸化炭素の排出量の削減の効果もあるということで、これまでより1回の輸送あたり56キログラム削減できるとしています。