由利本荘 水道水から六価クロム検出 担当職員水で薄めて検査

由利本荘市は市内の水道水から有害物質の「六価クロム化合物」が国の基準を超えて4年前から検出されていたと発表しました。
これまでに対象の6世帯で健康への影響は確認されていないということです。
担当の職員が別の水で薄めて検査していたことから発覚が遅れたということで、市は「隠ぺいと捉えられてもしかたがない」として、職員の処分を検討しています。

由利本荘市は5日記者会見を開き、東由利地区大台集落の水道水から、国の基準を超える有害物質の「六価クロム化合物」が検出されたと発表しました。

市の水質検査では6年前から1リットル当たり0.023ミリグラムから0.029ミリグラム検出されていたということで、4年前の水道法改正で基準が0.02ミリグラム以下に変更されたため、基準を上回るようになったということです。

この水道水は大台集落の6世帯17人が使っていて、市は住民に経緯を説明したほか、4月2日から給水車で安全な水を提供していて、今後、この物質を取り除く設備を設置することにしています。

これまでのところ、健康への影響は確認されていないということです。

一方、これまでは、1回目の検査では国の基準を超えていたものの、2回目の検査では基準を下回っていたということです。

これについて、市は、2回目の検査では担当の職員が、別の水で薄めて検査していたことが分かったとしています。

この職員が水で薄めたことを報告していなかったことから、市の対応が遅れたということで、市は、今後、この職員の処分を検討するとしています。

由利本荘市の三森隆副市長は「隠ぺいと捉えられてもしかたがないと考えている。庁舎内での連携不足や飲み水の安全性への認識が足りていなかったことなど多くの問題点を検証して再発防止に努める」と謝罪しました。