平野政吉が集めたコレクションのうち空が描かれた作品の企画展

秋田市の資産家で数多くの美術品を所蔵していた平野政吉が集めたコレクションのうち、空が描かれた作品を集めた企画展が秋田市の県立美術館で開かれています。

この企画展は、絵の背景として捉えられる空に注目してもらおうと秋田県立美術館が企画し、会場には秋田市の資産家、平野政吉が集めた絵画のうち、空が描かれた西洋画や日本画の48点が展示されています。

このうち、19世紀のオランダの画家、アントン・モーヴの「憩える牛」は、草原の中でくつろぐ牛や分厚い雲が広がる空が油絵で描かれていて、強い風が吹いているのか、形を変える雲が力強い書きぶりで描かれています。

また、江戸時代後期に活躍した司馬江漢の「不忍之池」は東京・上野の不忍池を描いた作品で、池のほとりに多くの人が行き交う様子が描かれ、絵のほとんどを空が占めています。

県立美術館によりますと、江戸後期になって西洋文化の流入とともに、空や雲を意識した日本画の作品が増えたということです。

県立美術館の小泉俊貴学芸員は「各作品のさまざまな空を見て、画家がどのような思いで描いているのかや、自分たちからはどのように見えるのかに注目していただきたい」と話していました。

この企画展は、来月14日まで県立美術館で開かれています。