秋田県内で積極的な設備投資で供給力を強化する動き

去年10月から12月までのGDP=国内総生産は、前の3か月と比べた実質の伸び率が年率に換算してマイナス0.4%と、2期連続のマイナスとなりました。
一方、秋田県内では、今後の需要の増加を見込み、積極的な設備投資で供給力を強化する動きも出てきています。

広島県呉市に本社をおく大手製材会社の「中国木材」は、286億円をかけて地元産の木材を加工する新しい工場を能代市の工業団地に建設し、先月一部で稼働を始めました。

世界的に木材が品薄となる「ウッドショック」などを背景に国産材の価値が見直されるなか、今後の需要増を見込み、スギの人工林の面積が全国で最も広く、原木を調達しやすい秋田県での工場整備を決めたということです。

およそ44ヘクタールの敷地内にはスギの原木から木材をつくる製材工場と加工場があり、木材の生産量は県内で最大規模となる月間2万立方メートルを見込んでいます。

製材工場には、センサーで丸太の太さや長さを測り、効率よく加工できる機械が導入され、自動化や無人化によって生産性が高められています。

さらに、これまで地元で扱えなかった直径の大きな原木など多くの種類を加工できる機械も備えていて、安定した生産量を確保できるとしています。

地元の雇用創出にも力を入れるとしていて、県内からは先月末時点でおよそ110人が従業員として採用され、工場のすべての設備が完成する2026年までには、あわせて210人の地元採用を計画しているということです。

中国木材能代工場の松浦健次郎工場長は「人口減少で住宅着工は減少傾向だが、商業施設や公共施設などの木材の需要が見込まれる。能代工場は関東・東北地方への供給の大事な拠点だが、国内だけでなく海外にも秋田県の木材を出荷していきたい」と話していました。