大館市 ドローンで物資を運ぶ試験 緊急時の運搬などを目指す

物流業界の人手不足や災害で陸路が絶たれたときの対応が懸念される中、秋田県大館市でドローンを使って物資を運ぶ試験飛行が行われました。

ドローンの試験飛行は、将来的な物流での実用化や緊急時の救援物資の運搬などに活用することを目指して大館市が去年から取り組んでいます。

24日は、市の下川沿公民館から北へ17キロほど離れた「五色湖ロッジ」まで水や食料品などおよそ1キロの物資を運びました。

市やドローンメーカーの関係者、それに地元の人などおよそ30人が見送るなか、物資が入った段ボール箱を積んだドローンは公民館の駐車場を離陸し、目的地を目指しました。

公民館の中に設置されたスクリーンには、飛行位置を示す地図やドローンのカメラから送られてくる映像が映し出され、参加した人たちは固唾をのんで見守っていました。

途中、吹雪で視界が悪化したため、安全を考慮して12キロほどの地点に着陸しましたが、会場からは拍手が沸き起こっていました。

大館市は、市の中心部と集落の拠点をドローンで結ぶネットワーク、“空の物流網”を構築し、いわゆる「2024年問題」で人手不足の深刻化が懸念されるトラック輸送の補完を目指すとしています。

大館市商工課の大森泰彦課長は「この天候の中、途中まででもフライトできてよかった。データを分析し、今後の物流政策に生かしていきたい」と話していました。