花粉少なく成長早い「エリートツリー」生産施設完成 北秋田市

花粉が少なく、成長も早い「エリートツリー」と呼ばれるスギを生産するための施設が、秋田県北秋田市に完成し、7日、見学会が開かれました。

この施設は、大手製紙メーカーの日本製紙が、北秋田市阿仁水無に整備したもので、見学会には東北森林管理局や県などからおよそ60人が参加しました。

施設には3棟のハウスがあり、「エリートツリー」と呼ばれるスギを生産するための苗木150本が育てられています。

エリートツリーは、成長が早いスギなどを選んで交配したもので、標準的な品種と比べて花粉の量が半分以下で、おおむね1.5倍早く成長することが特徴で、より多くの二酸化炭素を吸収することができます。

会社によりますと、この施設では来年10月に15万本分の種を採取したあと、再来年の秋以降に苗を出荷する計画です。

会社では、エリートツリーの生産を拡大するため、7年前から熊本や静岡など5つの県で、こうした施設の整備を進めていて、今回の施設も含めると年間160万本が生産できるようになるということです。

日本製紙エリートツリー推進室の根岸直希室長は「秋田はスギの産地なので、地元で育ったエリートツリーを県内に普及させるとともに、二酸化炭素も多く吸収するので温暖化対策にも貢献していきたい」と話していました。