大館「秋田犬の里」の鉄道車両「青ガエル」が“冬眠”

東京・渋谷駅前から大館市に譲り渡された緑色の鉄道車両、通称「青ガエル」を雪から守ろうと、車両に「冬眠中」と書かれたシートをかぶせる作業が行われました。

この車両は、主に高度経済成長期に活躍した大手私鉄の電車で、正面から見て、しもぶくれの車体と緑1色に塗られた姿がカエルを連想させることから「青ガエル」の愛称で親しまれました。

引退後は渋谷駅前に置かれ、観光案内所として使われていましたが、渋谷駅周辺の再開発に伴って3年前、「忠犬ハチ公」のふるさとの大館市に譲り渡され、観光施設の「秋田犬の里」で一般に公開されていました。

本格的な雪のシーズンを迎え、一般公開は3日で終わり、雪から車両を守るため、4日、「冬ごもり」の作業が行われました。

青ガエルが展示されている広場では、市から委託された業者がクレーンで屋根の上のパンタグラフを取り除いたあと、車体にブルーシートをかけ、その上に「青ガエル冬眠中」と書かれたシートをかぶせていました。

秋田犬の里の佐藤和浩館長は「ことしはハチ公生誕100年ということもあり、相乗効果で青ガエルにもたくさんの人が来てくれた。冬の間は皆さんの青ガエルへの愛を育む期間にしてほしい」と話していました。

一般公開の再開は、雪どけ後の来年4月上旬を予定しているということです。

「青ガエル」が設置されている大館市の観光施設「秋田犬の里」によりますと、今年度の入館者数は先月末までで14万3023人となりました。

これは、昨年度1年間の13万2545人をすでに上回り、オープンした令和元年度の31万5137人に次ぐ数で、「青ガエル」の移設後では最も多くなっているということです。

秋田犬の里は「新型コロナの5類移行や、ハチ公の生誕から100年という節目の年ということもあり、入館者数が伸びたのではないか」と見ています。