県内 クマに襲われて重傷の患者 大幅に増加 被害防ぐ注意を

クマによる人への被害が過去最多を更新している秋田県内では、クマに襲われて骨折や失明など手術が必要な重傷患者の数も大幅に増えています。
治療後も日常の生活に戻ることが難しい患者も多く、治療にあたる秋田市の医師は、被害にあわないよう細心の注意を払ってほしいと呼びかけています。

秋田県内ではことし、クマに襲われるなどしてけがをした人が30日までに61人と、これまでで最も多かった20人の3倍以上となっています。

クマに襲われた重傷患者の治療にあたる秋田市の秋田大学医学部附属病院では、ドクターヘリなどで搬送される患者が30日までに18人となっていて、手術が必要な患者は10人と去年の1人から大幅に増えています。

このうち、顔や頭を大けがをした患者はおよそ9割を占め、皮膚の広い範囲が裂けたり、骨折したりする被害が確認されています。

また、手術後も傷口に細菌が残って感染症に苦しむケースもあり、完治するまでに少なくとも1か月以上かかる患者が多いということです。

また、失明した患者が4人いるほか、PTSD=心的外傷後ストレス障害による心のケアが必要な人もいて、治療が終わったあとも生活に支障をきたしている患者も少なくないということです。

治療にあたる土田英臣医師は「クマによる被害は全身にわたるため、複数の診療科にまたがって連携しながら治療にあたっている。クマに襲われたあと元の生活に戻るのが難しい人も多くいて、被害にあわないように細心の注意を払ってほしい」と話しています。