再開発事業のビルで柱傾く施行ミス “組織的な関与なし”

JR横手駅前の再開発事業で建設されたビルで柱が傾く施工ミスが見つかった問題で、原因調査の結果が報告されました。
「現場の責任者などが工期を優先するあまり、会社などに報告や相談を行わなかった」とした一方、「会社などの組織的な関与はなかった」と結論づけています。

横手駅前の再開発事業で建設された7階建てのビルをめぐっては、ことし7月、柱のうち1本が傾いていることが明らかになり、発注者のJAや横手市などで作る団体は、傾いた柱の改修工事を行うことを決めました。

この問題をめぐって施工にあたった「横手建設」などの企業体が弁護士に依頼した原因調査の結果が11日、発注者が開いた会合で報告されました。

報告書によりますと、柱を基礎に固定するアンカーボルトがずれた施工ミスについて、「当時の作業記録などが破棄されるなどしたため原因特定には至らなかった」としたうえで、ミスの発覚後もそのまま工事を進めたことについて、「現場の責任者を務める『現場代理人』と技術面での責任者の『監理技術者』が工期を優先したため、会社などに報告・相談を行わず虚偽の報告書を作成するなどして施工ミスを明らかにしなかった」と指摘しました。

一方で、組織的な関与を裏付ける事実は見つからなかったとしています。

また、施工ミスや虚偽報告に至った背景には自主検査体制の不備やコンプライアンス教育の不備、コミュニケーションの不備などがあると指摘し、改善を求めています。

調査結果を受けて横手建設の武茂広行社長は「企業風土の改善などに取り組むとともに、ビルが1日も早くオープンできるよう全力をあげたい」と述べました。