秋田の最低賃金 897円に 引き上げ幅最大 全国平均とは差

ことし10月から適用される秋田県の最低賃金について、労使の代表で議論する審議会は現在の金額から44円引き上げ、時給897円とすることを正式に決定しました。
引き上げ幅は過去最大となりましたが、全国平均の時給とは100円以上の開きがあります。

秋田県の最低賃金について労使の代表で議論する審議会は今月7日、現在の時給853円から44円引き上げ、897円とする答申をまとめ、22日まで一般から意見を募集しました。

23日、その結果が審議会に報告され、県労連=秋田県労働組合総連合など10の団体が、物価の高騰や東京との賃金格差も踏まえ、さらに引き上げが必要だとして異議を申し立てました。

一方、審議会では「申し立ての内容も踏まえ、十分に議論を尽くした」とされ、答申のまま、最低賃金を44円引き上げ、時給897円とすることが正式に決まりました。

この最低賃金に満たず、賃上げが必要になる労働者は県内全体の21.9%に上ると推計されています。

44円の引き上げは最低賃金が時給で示されるようになった平成14年度以降、秋田県では最大の引き上げ幅ですが、全国平均の時給は1004円となる見通しで、100円以上の開きがあります。

新たな最低賃金はことし10月1日から適用され、労働局は周知を進めるとともに、中小企業の経営が圧迫されないよう、助成金の活用も呼びかけていくとしています。