記録的大雨による秋田市の広範な浸水被害 専門家が調査

先月の記録的な大雨で広い範囲が浸水した秋田市で、被害が拡大した原因を探るため、秋田大学の専門家らによる現地調査が行われました。

先月の記録的な大雨で、秋田市ではこれまでに5000世帯以上の住宅で浸水被害が確認され、住宅の床上浸水の数では記録が残る昭和以降で過去最多となっています。

これを受けて、河川の氾濫のメカニズムなどに詳しい秋田大学の松冨英夫名誉教授が、今回の大雨で氾濫した秋田市の太平川沿いを中心に現地調査を行いました。

このうち、住宅の浸水被害が甚大だった楢山地区では、測量用の器具を使って住宅が水につかった高さを測ったあと、周辺に積もった土砂を採取していました。

松冨名誉教授は、この地区には川から流れてきたとみられる土砂が比較的少ないことから、長時間、雨が降り続いたことで下水道や側溝があふれる「内水氾濫」が浸水の大きな要因だった可能性が高いと分析しています。

一方、同じ太平川沿いでも一部の地区では川の水が堤防を越えた箇所が複数確認できたことから、川の氾濫と内水氾濫で被害がさらに広がった可能性があるとしています。

松冨名誉教授は「内水氾濫の被害を防ぐには、排水のポンプを大きくし下水能力を上げるなどの対策が考えられる。時間はかかるかもしれないが、行政には危険度を下げるための努力を求めたい」と話していました。