新スタジアム整備で佐竹知事 秋田市の検討状況見守る考え示す

サッカーJ2、ブラウブリッツ秋田の新しいスタジアム整備の見通しが不透明だとして、J1とJ2のクラブライセンスが交付されない可能性が浮上しているのに関連して、佐竹知事は、スタジアムの整備を秋田市が進める外旭川地区のまちづくり事業と切り離すべきだという考えを示したうえで、秋田市の検討状況を見守る考えを示しました。

サッカーJ2、ブラウブリッツ秋田は、秋田市の新しいスタジアム整備の見通しが不透明だとして、Jリーグ側から、来シーズンはJ1とJ2のクラブライセンスをともに交付しない可能性があることを通達されたと先月30日に明らかにしました。

新しいスタジアムは秋田市が外旭川地区のまちづくり事業の一環として令和8年度の着工を目指すとしていますが、佐竹知事は今月3日、候補地が農地のため地盤が軟弱で、造成工事にはばく大な金がかかるとして、完成まで7年から8年かかるという見方を示しました。

6日の記者会見で佐竹知事は「スタジアムの整備を外旭川地区のまちづくり事業と切り離すべきだ。農地であっても整備できるところがある。スタジアム整備を支援することは変わりないが、あの場所で進めるとすればまちづくり事業のすべてを無条件で県が同意することになる。これはおかしい」と述べ、スタジアムの整備とまちづくり事業を切り離すべきだという考えを示しました。

そのうえで、「地域への経済効果など秋田県や市全体への利益になるかどうかだ」と述べ秋田市の検討状況を見守る考えを示しました。

クラブライセンスのうちJ1については、第三者機関の審査を経たうえで、ことし9月に交付されるかが決まる予定で、秋田市や県の今後の対応や、Jリーグ側がどのように判断するのかが注目されます。

秋田市の穂積市長は6日夕方、記者団に対して「新しいスタジアムについてお互いに理解が足りなかった」とした上で、近く、佐竹知事とトップ会談を行い、秋田市としての考え方を説明して理解を求める考えを示しました。

秋田市の穂積市長はサッカーJ2、ブラウブリッツ秋田の新しいスタジアム整備をめぐり、J1とJ2のクラブライセンスが交付されない可能性が浮上していることが先月30日に明らかになってから6日初めて記者団の取材に応じました。

このなかで穂積市長は、「スポーツ立県としてライセンスを失うことは失望感がある。なんとしても避けたい」と述べました。

そのうえで、佐竹知事がスタジアムの整備を秋田市が進める外旭川地区のまちづくり事業と切り離すべきだという考えを示したことについて、穂積市長は「単にスタジアムをつくればいいという問題ではない。にぎわい創出などの観点からまちづくり全体で検討すべきだと思っている」と述べました。

そして「スタジアムについてお互いに理解が足りなかったのかなと考えている。事務局どうしでは内容を協議しているが、トップどうしの意見交換を増やすべきであった。近いうちに知事についてお会いしたい」と述べ、近く、佐竹知事とトップ会談を行い、秋田市としての考え方を説明して理解を求める考えを示しました。

また、穂積市長は、令和8年度の工事着手を目指して取り組んでいく考えを改めて示したうえで、「着工というのは、造成工事を含めての着工で、完成までには5年ほどかかってしまうが、最速のスピードで取り組んでいきたい。その認識にずれがあると考えているので、意見交換していきたい」と述べました。