400人以上が死亡 「花岡事件」から78年 現地で慰霊式 

終戦直前、いまの秋田県大館市で強制連行された中国人が過酷な労働などに耐えかねて蜂起し、あわせて400人以上が死亡した「花岡事件」から78年となる30日、現地で市主催の慰霊式が行われました。

花岡事件は、太平洋戦争中に、旧花岡町、いまの大館市に強制連行された中国人が、終戦直前の昭和20年6月30日に過酷な労働や飢えに耐えかねて一斉蜂起したもので、鎮圧やその前後の過酷な労働による死者もあわせると400人以上が死亡しました。

事件から78年となる30日、市主催の慰霊式が慰霊碑のある十瀬野公園墓地で行われ、およそ150人が参列しました。

なかには、新型コロナ対策が緩和されたため中国から3人の遺族と支援者が4年ぶりに来日しました。

式では、福原淳嗣市長が、「どのような状況下であっても人の自由や尊厳を奪う心なき行為は許されることではない。二度とこのような過ちが繰り返されてはならないと改めて心に強く誓います」と述べました。

このあと参列者が次々と慰霊碑に花を手向け犠牲者を悼んでいました。

祖父が事件の犠牲になったという張徳健さんは「20年前に父親がこの慰霊式に参列し、今回自分もここを訪れることができた。この場に立ってみるとなんともいえない悲しい気持ちです」と話していました。