地価公示 県全体では下落 秋田市は住宅地・商業地ともに上昇
ことし1月時点の土地の価格の動向を示す「地価公示」が発表され、秋田県全体の平均の変動率は、住宅地で23年連続、商業地で31年連続の下落となりました。
一方で、秋田市は住宅地に加え商業地も3年ぶりに上昇に転じ、あきた芸術劇場ミルハスのオープンなどが影響しているものとみられます。
「地価公示」は、国土交通省が1月1日時点で調査した土地の価格を公表するもので、ことし県内では193地点が対象となりました。
このうち、住宅地は、県全体の平均で1平方メートルあたり2万1700円でした。
変動率はマイナス0.1%と、去年より0.6ポイント縮小したものの、平成13年から23年連続で下落となりました。
一方で、秋田市の住宅地は、平均価格が1平方メートルあたり3万3500円で、変動率はプラス1.2%と2年連続で上昇しました。
中心部に近い泉や山王、手形などに加えて、桜や新屋、御所野、土崎など、中心部からやや離れた地域でも価格が上昇しています。
県内の住宅地で最も価格が高かったのは、「秋田市保戸野中町」で1平方メートルあたり7万2900円でした。
また商業地は、県全体の平均で1平方メートルあたり3万6200円でした。
変動率はマイナス0.2%と、下落幅は去年より0.7ポイント縮まったものの、平成5年から31年連続の下落となりました。
秋田市の商業地は、平均で1平方メートルあたり5万3100円で、変動率はプラス0.9%と3年ぶりに上昇に転じました。
JR秋田駅前であきた芸術劇場ミルハスのオープンや、複数のマンションが建設されて中心市街地の活性化が期待されているほか、県外からの出張客や観光客が増え、飲食店街の人の流れが徐々に回復していることから上昇したものとみられます。
県内の商業地で最も高かったのは「秋田市中通2丁目」のフォンテAKITAが立地する場所で、1平方メートルあたり17万6千円でした。
調査にあたった不動産鑑定士の平野太郎さんは「住宅地は、県内経済の緩やかな回復や住宅ローンの低金利の継続などを背景に、秋田市を中心に一部のエリアで上昇した地点が大幅に増え、今後も短期的に増えていくとみられるが、過疎化が進む町村部などでは下落に歯止めがかからず、上昇と下落地点の差がより鮮明になっている」としています。
一方で、「商業地はJR秋田駅前など一部を除いて依然として需要が少なく価格が低い水準となっている。今後についても世界経済の影響を強く受けると考えられ、先行きは見通せない」としています。