全国学力テスト 7割超える教員「事前対策」をしていたと回答
小学6年生と中学3年生に行う「全国学力テスト」をめぐり、石川県の多くの学校で「事前対策」をしていた問題で、石川県と同じく全国トップクラスの成績が続く秋田県でも、県教職員組合の調査に対し、7割を超える教員が「事前対策」をしていたと回答したことがわかりました。
ことし4月に行われた全国学力テストをめぐり、石川県では、県教職員組合の調査で、多くの学校が「事前対策」をしていたことが明らかになりました。
石川県と同じく全国トップクラスの成績を維持している秋田県でも、県教職員組合が、テストの対象となる小学6年生と中学3年生を受け持つ教員に調査を行ったところ、回答した368人の教員のうち、75%にあたる274人が「事前対策を行った」と回答したということです。
事前対策にかけた時間は、2時間が最も多く22%、次いで3時間が17%、1時間が14%などとなっていて、なかには15時間と答えた教員もいました。
また、事前対策を行った理由を複数回答で尋ねたところ、「毎年やっているから」が76%、「管理職などからの働きかけ」が29%だったほか、「結果が自分の評価につながる」という回答も7%ありました。
県教職員組合は、「事前対策に時間をかけることで本来の豊かな学びを得る機会が失われかねない。何が子どもたちのためになるのか考えなければいけない」としています。
一方、県教育庁義務教育課は「学力テストはふだんの子どもの学習状況や指導の状況を把握するためのもので、各学校で事前対策をしている認識はない」としています。
秋田県は、ことしのテストで小学6年生の「国語」と「理科」、それに中学3年生の「国語」で平均正答率が全国1位でした。
秋田県でも、多くの教員が全国学力テストの事前対策をしていたことについてJR秋田駅前で聞きました。
このうち、70歳の男性は「授業中などに全国学力テストのための対策をするというのは目的と違う気がします。塾の役割のような気がします」と話していました。
また、30歳の女性は「対策をやっている県とやっていない県があるのは、不平等だと思います。対応がバラバラだと正確な全国の学力を調査することができないのではないかと思います」と話していました。
一方、18歳の高校の女子生徒は、「私が小学校の時も学力テストの前には事前に対策がありました。過去問を多く解き、似たような問題が実際に出題されたこともありました。ほかの県でもやっていると思っていました」と話していました。