「和歌山県南部に医師を」 医療版ワーケーション始まる

都市部の医師に、余暇とあわせて一時的に地域の病院で働いてもらうことで医師の確保にもつなげる「医療版ワーケーション」を和歌山県が始めました。

この「医療版ワーケーション」は、和歌山県が東京・渋谷区に本社がある医療情報サービス企業「MRT」と協力して始めました。
東京など県外の都市部で働く医師が、医療情報サービス企業に申し込むと、和歌山県南部での余暇を楽しむ観光商品と、病院で非常勤で働く仕事がセットで紹介される仕組みで、現在、県南部の2つの病院が受け入れ先として手を上げています。
取り組みを始めたところ、広島県内の病院で救急医をつとめる眞鍋憲正医師(36)が早速、応募しました。
眞鍋医師は7月4日、家族とともに白浜町のテーマパークを訪れ、イルカのショーを見たり、動物にえさやりをしたりして余暇を楽しみました。
その翌日は、白浜町の「白浜はまゆう病院」で打ち合わせや引き継ぎを行い、午後6時から当直勤務を行いました。
眞鍋医師は、「十分に遊んだのであとは地域に貢献できればと思っています。興味を持つ医師は多いと思うので、いろんなところから医師が来て地域を知るきっかけになると思います」と話していました。
白浜はまゆう病院の辻本登志英院長は、「当直する医師が来てくれるだけで、病院の医師の負担が軽減されるのでありがたい」と話していました。
取り組みを実施した和歌山県医務課の蔵光良さんは、「手軽に試してもらえるような機会を用意することで病院と地域を知って気に入ってもらい、和歌山県のドクターになってもらえるのではないかと期待している」と話していました。