大阪・関西万博「大屋根リング」の再利用は4分の1程度

大阪・関西万博の会場のシンボル、「大屋根リング」について、実施主体の博覧会協会は閉会後の再利用案を公募していましたが、これまでに寄せられた提案のうち現時点で再利用が見込まれるのはリング全体の4分の1程度にとどまることを明らかにしました。

会場のシンボルと位置づけられている「大屋根リング」は、1周およそ2キロ、高さ最大20メートル、使用する木材の量はおよそ2万7000立方メートルで、完成すれば世界最大級の木造建築物となる予定です。
このリングの閉会後の再利用案について、博覧会協会がことし2月、公募したところ、20の企業や自治体から提案が寄せられましたが、協会はサイクリングロードの一部や東日本大震災の被災地の施設の部材として再利用するとした13の提案について、現時点で実現可能性があると判断したということです。
ただ、これらの提案を採用した場合でも、活用できる木材の量は、全体の4分の1以下のおよそ6000立方メートルにとどまるということです。
さらに、ほぼ無料で再利用したいという要望が多いということですが、再利用するためには人手による解体作業が必要になり、協会が「大屋根リング」の費用として計上している344億円とは別に追加の費用がかかることが見込まれます。
博覧会協会は「できるだけ多くの木材が再利用できるよう今後も努力していきたい」と話しています。