“紅麹サプリ”摂取と死亡との関係調査中76人 小林製薬

小林製薬の紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓などの病気を発症した問題で、会社は製品を摂取したあとに亡くなった76人について、死亡との関係を調査中だと発表しました。

小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントをめぐっては、摂取後に腎臓の病気を発症したなどとする健康被害の訴えが相次いでいて、会社は28日、製品の摂取と死亡との関係を調査中の事例について発表しました。
それによりますと、死亡に関係する相談は170件寄せられ、このうち、▼製品を摂取していなかったと確認された91人と▼医師の診断で因果関係がないとされた3人を除いた、76人について調べているということです。
この中には、腎臓に関連する病気以外で亡くなった人もいるということです。
会社では、基礎疾患があったり高齢であったりする人などに間接的に健康被害を及ぼす可能性もあるとしていて、今後も調査の状況を公表するとしています。
また、会社はこれまで製品を摂取したあとに5人が死亡したと公表してきましたが、その後の調査で▼このうち1人は製品を摂取していなかったことが確認されたほか、▼別の2人も主治医への聞き取りの結果などから製品との関係は不明とされたということです。
小林製薬は、「健康被害の可能性が否定できないものは広く公表すべきと判断した。調査中の事例の中には事後に関連性が否定されるものが含まれている可能性があるほか、調査する人の数が増える可能性もある。今後、より精緻な把握と報告に努めたい」としています。

【厚労相“小林製薬に任せておくことできず”】
武見厚生労働大臣は「本来ならばもっと早くこうした事例があれば報告が必要で、死亡事例について厚生労働省から問いただしてはじめて報告があった。極めて遺憾でこれ以上小林製薬に任せておくことはできず、厚生労働省が直接、調査の進捗(しんちょく)状況含めて管理することにした」と話していました。

【小林製薬“指摘 大変重く受け止め 深くおわび”】
死亡に関係する相談が大幅に増えていることについて、今月(6月)13日に、厚生労働省が会社に確認するまで報告されていなかったということです。
これについて小林製薬は、「厚生労働省から速やかに報告すべきと指摘された件について、大変重く受け止め、深くおわび申し上げます。今後、被害状況の把握と報告とともに、問い合わせや補償に誠実に対応し、原因究明などに全力をあげて取り組みます」とコメントしています。