安倍元首相銃撃 山上被告「現在のような状況になると思わず」

おととし(2022年)、奈良市で安倍元総理大臣が銃撃された事件で、殺人などの罪で起訴された山上徹也被告の弁護団が報道陣の取材に応じ、今週、被告と接見した際のやりとりを明らかにしました。
旧統一教会をめぐる解散命令請求などの動きについて「現在のような状況になるとは思っていなかった」などと話していたということです。

おととし7月、奈良市で安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、無職の山上徹也被告(43)が殺人などの罪で起訴されています。
この事件は裁判員裁判で審理されるとみられていて、7月3日には証拠や争点などを絞り込む4回目の「公判前整理手続き」が予定されています。
こうした中、山上被告の弁護団が報道陣の取材に応じ、20日、拘置所で被告と接見した際のやりとりを明らかにしました。
それによりますと、弁護士が旧統一教会をめぐる解散命令請求などの一連の動きについて受け止めを聞いたところ、「事件によって現在のような状況になるとは思っていなかった」と話したということです。
また、被告のもとには親が信者のいわゆる「宗教2世」から手紙が届くこともあるということですが、弁護士が裁判に関心を持っている2世がいることを伝えると、「事件が2世の人たちにとってよかったか悪かったか分からない」と話していたということです。
裁判の日程はまだ決まっていませんが、弁護団は争点の絞り込みなどに時間がかかっているとして、初公判は来年以降になるのではないかという見方を示しました。