下請けに不当なやり直し2万4600回で印刷会社に公取委勧告

下請けのデザイナーなどに2万4600回にわたって無償でやり直しをさせたとして、公正取引委員会は、大阪の印刷会社に再発防止を求める勧告を行いました。

勧告を受けたのは、大阪・天王寺区に本社がある食品のラベルなどを製造する「大阪シーリング印刷」です。
公正取引委員会によりますと、おととし(令和4年)4月から去年(令和5年)10月にかけて、ラベルや容器のデザインを委託していたデザイナーなど36の下請けの事業者に、あわせて2万4600回にわたってデザインのやり直しを無償で命じていたということです。
下請けの事業者にミスがないにもかかわらず、無償でやり直しを命じることは、下請け法に規定されている「不当なやり直し」にあたるとして、公正取引委員会は19日、会社に対して再発防止を求める勧告を行いました。
やり直しにかかった費用はあわせて980万円余りに相当するということです。
公正取引委員会の調査に対して、会社側は「やり直しを無償で依頼することは、事前に説明して了解を得ていたので、問題はないと考えていた」と話しているということです。
公正取引委員会によりますと、「不当なやり直し」の禁止に違反したとする勧告は全国で初めてだということです。
会社によりますと、大阪シーリング印刷は、食品ラベルの製造では全国一のシェアを占め、無償のやり直しは20年ほど前から行っていたということです。
会社は、やり直し分の費用をデザイナーなどに支払ったとしたうえで、「勧告を真摯(しんし)に受け止め、再発防止を徹底します」とコメントしています。