誤認逮捕のコンビニ従業員 国と県など相手に提訴 神戸地裁

去年(2023年)、兵庫県尼崎市のコンビニエンスストアで、現金を盗んだとして誤って逮捕された当時のパート従業員が、誤認逮捕によって不眠などの症状に悩み損害を受けたとして、国と県などにあわせて330万円の賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、兵庫県尼崎市に住む60代の女性で、去年12月、勤務していた市内のコンビニで現金数十万円を盗んだとして窃盗の疑いで逮捕されました。
警察は店内の防犯カメラの映像などをもとに逮捕しましたが、その後、被害を訴えていた店側が本部へ送る売り上げを誤って多く送金していたことがわかり、実際には被害がなかったことが確認されたということです。
このため、警察は逮捕からおよそ14時間後に女性を釈放し、謝罪しました。
訴状によりますと女性は、「当初から一貫して否認していたが、警察が十分な捜査を怠り誤認逮捕につながった。その後も不眠などの症状に悩み日常生活に支障が出ている」などと主張し、国と県、それにコンビニの運営会社にあわせて330万円の賠償を求める訴えを神戸地方裁判所に起こしました。
提訴後に開かれた会見で女性は、「狭い部屋でずっと取り調べられ、どれほど精神的な苦しみを感じたか考えてほしいです。二度と同じような思いをする人が出ないよう、誤認逮捕に至った経緯を裁判で明らかにしたい」と話していました。

【兵庫県警“適切に対応したい”】
訴えについて兵庫県警察本部の正木博文 監察官室長は「訴状の内容を検討し、関係機関と協議のうえ、適切に対応したい」とコメントしています。