白血病薬 ＡＬＳ症状の進行抑える効果 治験経過 京大など

難病のＡＬＳ＝筋萎縮性側索硬化症の患者に白血病の薬を投与する治験を進めている京都大学などのグループは、症状の進行を抑える効果が確認できたとする最新の経過をまとめました。

京都大学ｉＰＳ細胞研究所の井上治久 教授などのグループは、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病ＡＬＳの患者のｉＰＳ細胞を使って病気を再現した実験で、「ボスチニブ」という白血病の治療薬がＡＬＳの症状の進行を抑える可能性が示されたとして、５年前から患者に投与する治験を進めています。
グループが１２日、発表した最新の経過によりますと、病気の発症から２年以内の患者２６人を対象に半年間にわたって薬を投与し、投与していないグループと比較したところ、症状の進行を抑える効果が確認されたということです。
なかでも病気の症状にかかわる血液中の物質が比較的少ない患者では、症状の進行がより抑えられていたことから、研究グループでは血液検査で効果が期待できる患者を見つけ出せる可能性があるとしています。
井上教授は「患者により早く新たな治療薬を届けられるよう、規制当局と協議しながら実用化を進めたい」と話していました。