神戸空港で小型機胴体着陸 けが人なし 滑走路は運用再開

5月31日午後、神戸空港の滑走路で訓練中の小型機が胴体着陸しました。
この影響で神戸空港は午後2時半ごろから滑走路を閉鎖していましたが午後7時半前に運用を再開しました。

31日午後2時半ごろ、神戸空港の滑走路に訓練中の小型機が胴体着陸するトラブルがありました。
トラブルがあった小型機は、パイロットの養成などを行っている神戸市中央区の学校法人「ヒラタ学園」が運航する訓練機で、60代の機長と20代の訓練生2人のあわせて3人が乗っていたということです。
警察などによりますと、このトラブルによるけが人はおらず、火災もなかったということです。
神戸空港は、午後2時半ごろから滑走路を閉鎖していましたが、午後7時25分に運用を再開しました。
「ヒラタ学園」によりますと、事故当時は着陸したあとすぐに離陸する「タッチアンドゴー」という訓練をしていて、車輪が出ていない状態で胴体着陸したということです。
訓練前の点検では機体に異常はなかったということでヒラタ学園は「定期便に影響が出るなど、航空会社・関係各所にご迷惑をおかけし、申し訳ないとしか言いようがありません」とコメントしています。
関西エアポートによりますと、事故の影響で神戸空港を発着する便のうち▽出発便15便、▽到着便19便が欠航となったということです。

【国の運輸安全委 調査官派遣へ】
国土交通省によりますと、5月31日午後2時27分ごろ、神戸空港で訓練中の小型機が滑走路上に胴体着陸しました。
当時、小型機には教官と訓練生2人のあわせて3人が乗っていて、いずれもけがはないということです。
事前に提出された飛行計画では午後1時58分に神戸空港を離陸したあと30分間、飛行訓練を行い、その後、神戸空港に戻る予定になっていたということです。
小型機は、着陸してすぐに飛び立つ「タッチアンドゴー」という訓練を行っていたということです。
国土交通省は重大インシデントにあたるとしていて、国の運輸安全委員会は6月1日以降、航空事故調査官3人を現地に派遣するとしています。

【神戸空港の当時の気象は】
関西航空地方気象台によりますと小型機が着陸した直後の5月31日午後2時33分に観測された神戸空港の気象状況は▼弱い雨が降っていて、▼目で見える距離を示す「視程」が8キロ、▼北東から風速3.1メートルの風が吹いていたということで、航空機の運航に特に支障がある状況ではなかったということです。

【ヒラタ学園とは】
「ヒラタ学園」は、神戸空港などを拠点にパイロットを養成しているほか、ドクターヘリや遊覧飛行の運航などの事業も行っています。
平成21年には、神戸空港に格納庫や給油設備を備えた訓練施設を設置しています。

【神戸空港 キャンセル待ちで長蛇の列】
滑走路が封鎖された神戸空港の出発ロビーでは、利用客が飛行機のキャンセルをしようと搭乗カウンターに長蛇の列ができていました。
また、滑走路が封鎖されたことが記載された掲示板が設置され、職員が利用客に対してキャンセルの手続き方法について呼びかけていました。
妻の実家がある神戸に家族で来ていて、5月31日に沖縄に帰る予定だったという男性は「これから飛行機のキャンセルをします。帰るのはあしたに延期してきょうは妻の実家に延泊することにしました」と話していました。
旅行で羽田空港に向かう予定だったという神戸市の23歳の女性は、「胴体着陸したと聞いてびっくりしました。これから飛行機をキャンセルして、新幹線を予約しようと思います。新神戸駅は遠くて大変ですので早く復旧してほしいです」と話していました。