ドクターヘリの不適切な整備などで改善命令 神戸の学校法人

関西広域連合などからドクターヘリの運航を委託されている神戸市の学校法人が、機体の適切な整備を行わないまま運航を続けていたことなどが分かり、国土交通省から事業改善命令を受けました。

事業改善命令を受けたのは、関西広域連合などからドクターヘリの運航を委託されている神戸市中央区の学校法人「ヒラタ学園」です。
国土交通省大阪航空局などによりますと、立ち入り検査などの結果、「ヒラタ学園」は昨年度(2023年度)までの3年間に、関西などで運航する14機のドクターヘリなどについて、▼マニュアルに定められていない部品や、流用が認められていない部品を使って整備したほか、▼適切な整備を行わないまま運航を続けていたことなどが確認されたということです。
大阪航空局によりますと、不適切な対応は30件にのぼり、中には管理職の指示で行われたものもあったということです。
大阪航空局は「組織的な悪質性が認められる」として、28日、「ヒラタ学園」に対し、▼安全管理体制の再構築やコンプライアンス教育の実施などを求める事業改善命令を出すとともに、▼安全統括管理者が本来の職務を行うよう警告しました。
不適切な対応が発覚したあと、ドクターヘリは点検整備を行うため、今月(5月)、3日間にわたって運航が一時停止され、要請を受けたものの出動できなかった事例が9件あったということです。
関西広域連合は、「重大な事態と受け止めている。対策チームを設置し、安全な運航管理・整備体制などの確認を行い、再発防止の徹底を図る」とコメントしています。
一方、「ヒラタ学園」は29日、記者会見を開き、航空事業本部の平田光弘 本部長は「大変責任を感じ、深くおわび申し上げます。再発防止のため、教育を徹底していきたい」と述べました。