「君死にたまふことなかれ」を多言語に翻訳 大阪 堺で企画展

ウクライナなど世界各地で戦闘が続く中、大阪・堺市出身の歌人与謝野晶子の代表作、「君死にたまふことなかれ」をウクライナ語など15言語に翻訳した企画展が開かれています。

日露戦争が行われていた当時、与謝野晶子は激戦地にいる弟の身を案じて「あゝをとうとよ、君を泣く、君死にたまふことなかれ」とどうか戦死だけはしないでほしいという心情を詩に読み上げました。
企画展は、与謝野晶子の代表作、「君死にたまふことなかれ」に込められた思いを世界の人々に知ってほしいと堺市の文化観光施設が開いたものです。
企画展では、この詩をウクライナ語やロシア語のほかヒンディー語や韓国語など15の言語に翻訳し、パネルで展示しています。
このうちウクライナ語の翻訳には、大阪の「日本ウクライナ文化交流協会」が軍事侵攻が続くウクライナにこの詩を届けたいと、ウクライナ出身のパブリー・ボグダンさんに翻訳を依頼した経緯などが紹介されていました。
企画した学芸員の矢内一磨さんは「詩が書かれたのは120年前だが、いま世界に発信する意義は高い。家族の安全を願う心は普遍的だということを強調したい」と話していました。
この企画展は来月16日まで、「さかい利晶の杜」で開かれています。