大阪 駐車場で男児やけど 「ネイルグルー」がかかったか

今月19日、大阪・河内長野市の駐車場で4歳の男の子に瞬間接着剤の成分が含まれた液体がかかり腕にやけどをしたことについて、警察が調べた結果、当時、近くで爪に塗る「ネイルグルー」と呼ばれる液体を使っていた人がいたことが分かりました。
同じ成分が含まれていて、繊維に染み込むと急激に発熱する性質があるということで、警察は、この液体が誤って男の子にかかった可能性が高いとしています。

今月19日、大阪・河内長野市役所の駐車場で20代の母親と一緒にいた4歳の男の子に何らかの液体がかかり、男の子は右腕に全治およそ2週間のやけどをしました。
駐車場では当時、だんじりのイベントが開かれ、多くの人が訪れていたということです。
この液体からは瞬間接着剤に含まれる「シアノアクリレート系樹脂」と呼ばれる成分が検出されたということですが、警察が調べた結果、当時、男の子の近くで爪に塗る「ネイルグルー」と呼ばれる液体を使っていた人がいたことが分かりました。
この液体にも同じ成分が含まれていたということです。
男の子は当時、長袖の服を着ていましたが、消費者庁などによりますと、「シアノアクリレート系樹脂」は衣服などの繊維に染み込むと化学反応が促進され、急激に発熱する性質があるということです。
警察は、現場の状況などから「ネイルグルー」が誤って男の子にかかった可能性が高いとしています。

【ネイルグルーとは】
ネイリストの民間資格の認定を行うNPO法人によりますと、「ネイルグルー」は爪にプラスチック製のつけ爪やアクセサリーをつける際に使われる接着剤で、化粧品店やドラッグストアなどで販売されています。
主にボトルに入っているものとチューブ式のものがあり、▽ボトルの場合は細いブラシにつけて、▽チューブ式は押し出して爪に塗ります。
両面テープなどと比べて接着する力が強いのが特徴で、製品の多くに瞬間接着剤と同じ成分の「シアノアクリレート系樹脂」が含まれているということです。
消費者庁や接着剤のメーカーでつくる業界団体によりますと、「シアノアクリレート系樹脂」は衣服などの繊維に染み込むと化学反応が促進されて急激に発熱する性質があり、場合によっては100度前後に達することもあるということです。
業界団体の「日本接着剤工業会」は、この成分を含むネイルグルーが衣服についた場合は、まず大量の水をかけて温度を下げたうえで、服を少しずつ脱ぐか、脱げない場合は生地をはさみで切り取るなどしてほしいとしています。
そのうえで、「ネイルグルーや瞬間接着剤を使う際は衣服につかないよう注意するとともに、まわりに人がいないかどうか必ず確認してほしい」と呼びかけています。

【注意喚起の接着剤実験動画】
大阪・東大阪市にある日曜大工用品の販売会社は、「シアノアクリレート系樹脂」を含む瞬間接着剤について、やけどのおそれがあるとして動画投稿サイトに注意を呼びかける動画を投稿しています。
この動画では、作業用の手袋に瞬間接着剤を付着させたうえで、手袋の中の温度がどのように変化するか、実験を行っています。
接着剤を数滴たらすと、手袋からはすぐに白い煙のようなものが上がり、温度がぐんぐん上昇していきます。
そして、最後は温度計の数値が82度まで上がりました。
会社では、「シアノアクリレート系樹脂」を含む製品は使用上の注意をよく読んだうえで、取り扱いに気をつけるよう呼びかけています。