万博現場の爆発事故 屋根などに損傷 建設会社が協会に未報告

ことし3月、大阪・関西万博の会場建設現場で起きた爆発について、実施主体の博覧会協会は、床以外にも損傷があったことを明らかにしました。
工事を担当していた建設会社から20日になって報告があったということです。

ことし3月、万博の会場となる夢洲の工事現場で作業員が溶接作業を行っていたところ、火花が可燃性のガスに引火して爆発し、コンクリートの床がおよそ100平方メートル損傷しました。
この事故について、博覧会協会は、22日、床以外にも、屋根におよそ10か所のへこみがあったほか、床下に設置されていた塩化ビニル製の筒が変色していたことを明らかにしました。
事故が起きた現場は鹿島建設などでつくる企業体が工事を担当していますが、建設会社の現場担当者は床以外にも損傷があったことを把握していたものの、社内でこの情報を共有していませんでした。
協会との窓口を務める建設会社の所長は、消防からの指摘で実際の損傷箇所を把握し、20日になって協会に報告したということです。
博覧会協会は「報告が漏れていたことは誠に遺憾だ。今後、このようなことがないよう建設会社に対しては口頭で指導した」と話しています。
鹿島建設は「現場で情報伝達がうまくできていなかったことが原因だ。再発防止に努める」としています。
この事故をめぐっては、建設会社が消防に連絡したのが発生からおよそ4時間半後だったことも明らかになっています。