湯川秀樹博士の旧宅 改築して京都大学の交流施設に 

日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士が晩年を過ごした京都市にある住宅が改築され、京都大学の交流施設として活用されることになりました。

交流施設になるのは、湯川秀樹博士が昭和56年に74歳で亡くなるまで24年間を過ごした京都市左京区の住宅で、京都大学が土地と建物を譲り受けて改装工事を進め、このほど施設が完成しました。
玄関には湯川博士の自筆の書が掲げられているほか、居間や庭は当時の作りを残していて、生前、庭を眺めながら思索にふけったり、教え子などと語らったりした場所だと伝えられています。
改装工事で建築家の安藤忠雄さんの設計で曲線を生かした木造のロビーが新たに作られ、博士が残した膨大な書籍の一部が紹介されています。
京都大学の湊長博学長は、「湯川博士の功績や足跡を後世に伝えるとともに、国内外の識者が集って、学術文化や世界平和について語りあう場として活用していきたい」と話しています。
また、会見に出席した安藤忠雄さんは、「湯川博士のノーベル賞受賞は戦後の日本人にとって大きな出来事で、その湯川さんの自宅なので、ぜひ手がけたいと思いました。訪れた人が世界や自分について考えるような空間になってほしいです」と話しました。
京都大学は、1年に数回程度、近隣の住民に公開したいとしています。