新型コロナ 旅行キャンペーンで府内事業者が不正受給 大阪府

新型コロナの影響で厳しい経営状況となった観光事業者を支援しようと、大阪府と市が行った旅行費用の一部を助成するキャンペーンをめぐり、大阪府は、府内の宿泊事業者1社が架空の宿泊実績を申請して補助金などを不正に受け取っていたと発表しました。

大阪府と市は、府内の観光事業者を支援しようと令和3年度から昨年度(令和5年度)にかけて、大阪を訪れる旅行者を対象に、費用の一部を助成するキャンペーンを実施しました。
大阪府によりますと、府内の宿泊事業者1社が架空の宿泊実績などをキャンペーンの事務局に申請し、補助金を不正に受け取るなどしていたということです。
すべての不正を特定することが困難なことから、大阪府と市は今後、この事業者に支払われた補助金など、およそ5000万円の返還を求めていくことにしています。
大阪府の吉村知事は記者団に対し、「厳しい状況になった宿泊事業者を応援するということでやってる事業なのに、それを逆手にとって不正を行うということは許されないことだ。刑事、民事を含めて厳正に対処をしていきたい」と述べました。
大阪府はこのほか府内の12の宿泊事業者で、宿泊客がクーポンを受け取るためのQRコードを悪用して、従業員たちがあわせておよそ200万円分のクーポンを不正に利用した事例があったこともあわせて公表しました。
府は、不正を行った従業員が勤めていた宿泊事業者に対して、返還請求を行い、すでに全額返還されているということです。