大阪公立大の研究室で青酸カリなど紛失 大人160人分致死量

大阪公立大学の研究室で保管されていた青酸カリなど毒性の強い2種類の薬品がなくなっていることがわかり、大学は盗難や誤って廃棄した可能性もあるとして警察に相談することにしています。

大阪・住吉区にある大阪公立大学によりますと、今月(5月)2日、工学研究科の教員が研究室にある薬品の保管庫を調べたところ、毒性の強い▼シアン化カリウム、いわゆる青酸カリ25グラムと▼シアン化ナトリウム25グラムをそれぞれ入れた瓶あわせて2本がなくなっているのがわかったということです。
紛失した薬品は少なくとも大人160人分の致死量にあたり、いずれも実験に使う目的で購入されたものの、この10年ほどは使用された記録がなく、去年6月に点検したときには保管庫にあったということです。
研究室のある建物には日中であれば外部の人も出入りできますが、薬品の保管庫には鍵がかけられていて、所属する教員と学生しか開けられないということです。
大学では薬品が盗まれたり誤って廃棄されたりした可能性もあるとして、17日、警察に相談することにしています。
研究室の教員が薬品の紛失に気づいてから大学の担当部署に報告されるまで10日余りかかったということで、会見した櫻木弘之 副学長は、「紛失に気づいたあとすぐ報告すべきだったが大型連休の影響もあり対応が遅れてしまった。今後、警察などと連携して調査を進めたい」と話していました。