“浪花のモーツァルト”作曲家 キダ・タローさん死去 93歳

「浪花のモーツァルト」の愛称で親しまれた作曲家のキダ・タローさんが14日亡くなりました。
93歳でした。

キダ・タローさんは兵庫県宝塚市出身で、高校時代に音楽バンドを結成したあと大学を中退し、その後、ピアニストや作曲家として活動しました。
NHKの番組「バラエティー生活笑百科」のテーマソングや北原謙二さんの「ふるさとのはなしをしよう」といった歌謡曲のほか、かに料理店やインスタントラーメンのCMソングなど親しみやすい音楽も数多く手がけました。
また、テレビやラジオの番組にも多く出演し、民放のバラエティー番組、「探偵!ナイトスクープ」では「浪花のモーツァルト」という愛称で親しまれ、関西を中心に幅広く活動していました。
所属事務所のホームページによりますと、14日亡くなったということです。
93歳でした。
所属事務所は「お世話になった関係者の皆様、応援してくださったファンの皆様に心より感謝お礼申し上げます。これからもキダ・タロー先生の作品が皆様に愛され続けることを切に願います」とコメントしています。

【四條畷で正午告げる曲】
キダ・タローさんは、関西各地で市町村の歌の作曲なども手がけていました。
このうち大阪・四條畷市では、34年前(1990年)に市制が施行してから20年となるのを記念して作られた市の歌、「いま ここに」の作曲を担当しました。
市によりますと、市民からの公募で選ばれた歌詞にキダさんが曲をつけたということで、このときのいきさつについて4年前(2020年)に市がインタビューした動画には四條畷市のことが大好きだと語るキダさんの姿が残されています。
市内ではこの歌が防災無線などで毎日、正午に流れていて、市役所では16日も昼になると親しみやすいキダさんのメロディーが響いていました。
市の職員は、「昼の時間を知らせるおなじみのメロディーです」とか、「訃報を知り、いつもより少しだけ悲しく聞こえましたがこれからも聞き続けたいです」と話していました。
四條畷市企画広報課の鈴木信一 課長は、「思わず口ずさんでしまうメロディーで、浪花のモーツァルトであるキダさんに作ってもらったことを誇りに思っています。これからも市の歌として大切にしていきたいです」と話していました。

【校歌歌い継ぐ中学校】
大阪・吹田市の山田東中学校では38年前(1986年)に開校した際、キダ・タローさんに校歌を作曲してもらいました。
毎年、1年生の音楽の授業で、校歌の作曲者がキダさんであることが紹介され、キダさんが手がけた有名なCMの曲のメドレーを聞くのが恒例となっています。
音楽教諭の秋山律子さんは「生徒たちは校歌を作ったのがキダさんだと聞くと、有名な人が作ったんだととても喜びます。卒業しても校歌の作曲家がキダさんだということをずっと忘れないと思います」と話していました。
開校30年を記念して2015年に開かれた式典にはキダさんも出席して行われたということで、当時の冊子にはキダさんのメッセージも寄せられています。
キダさんは山田東中学校の卒業生から声をかけらたことがあったとしたうえで「『あの曲は大事にして貰てんねんなあ、ありがたいこっちゃ』と感激してます」とつづっていました。
山口廣治 校長は「子どもたちにとっても親しみやすい校歌で、キダさんには感謝の気持ちでいっぱいです。キダさんの訃報はとても残念ですが、これからも子どもたちと校歌を大事にして歌い継いでいきます」と話していました。

【道頓堀で惜しむ声】
大阪・道頓堀ではゆかりのメロディーとともにキダ・タローさんを悼む声が聞かれました。
大阪・枚方市の60代の男性は、思い出すキダさんの曲として「と〜れとれ、ぴ〜ちぴち」と『かに道楽』のCMソングを歌ったうえで、「受験生のころにラジオを聴いて眠たいところでファイトが出ました。もっと長生きしてほしかったけれど、たくさんの曲を後世に残してくれてありがとうと言いたいです」と話していました。
兵庫県姫路市の60代の夫婦は「『プロポーズ大作戦』をよく見ていました。『探偵!ナイトスクープ』もおもしろかったです。気さくなお話に親近感を持っていました」と話していました。
兵庫県宝塚市で教員として勤務したことがある60代の男性は「キダさんは宝塚出身なので子供時代の話を聞いてみたかったです。偉大な人が亡くなったと思います。ご冥福をお祈りします」と話していました。
キダさんを惜しむ声は関西の人だけでなく、全国各地から大阪を訪れている観光客からも聞かれました。
愛媛県から道頓堀を訪れていた60代の女性は「あ〜らよっ、出前一丁〜」とキダさんが手がけたCMのフレーズを口ずさんだうえで「偉大な人が亡くなり日本の損失です。とても優しそうな方で、またおもしろい曲を聴けるかなと思っていました」と話していました。