住友ファーマなど インフル新ワクチン 欧州で臨床試験へ

大阪に本社がある製薬会社住友ファーマなどのグループは、流行するインフルエンザのウイルスの種類が変わっても効果を得られる新たなワクチンの臨床試験をヨーロッパで始めると発表しました。

インフルエンザのウイルスは主に流行するA型だけでも100種類以上確認されていて、国内では次に流行する種類を予測し毎年、ワクチンを作り替えていますが、予測が外れると効果が下がることがあるのが課題でした。
大阪市に本社がある製薬会社住友ファーマと、茨木市にある医薬基盤・健康・栄養研究所のグループは流行するウイルスの種類が変わっても効果を得られる新たなワクチンを開発し、安全性などを確かめる臨床試験をヨーロッパで始めると発表しました。
従来のワクチンはウイルスの表面にある突起の先端部分を標的としていますが、ウイルスの種類によって構造が異なるため、新たなワクチンは構造が共通する突起の根元部分を標的にしています。
臨床試験はことし7月に始まる予定で、グループではA型のウイルスのすべての種類に対応できるワクチンを2029年以降に実用化したいとしています。
医薬基盤・健康・栄養研究所難病・免疫ゲノム研究センターの山本拓也センター長は、「新たなワクチンは接種の頻度を3年から5年に1回程度に減らせる可能性がある上、パンデミックが起きたときにすぐに提供できるというメリットもある」と話していました。