業務用チョコ大手の不二製油G カカオ豆の高騰で値上げも検討

チョコレートの原料であるカカオ豆の価格が高騰する中、大阪に本社がある、業務用チョコレート大手の「不二製油グループ本社」の酒井幹夫 社長は、今後の取引価格の動向によっては製品のさらなる値上げを検討する考えを示しました。

カカオ豆をめぐっては、産地の西アフリカで天候不順や病害が多発し、歴史的な不作となったことから、カカオ豆の先物価格はこの1年でおよそ3倍となっています。
価格の高騰を踏まえ、業務用チョコレートで生産量世界3位の不二製油グループは、洋菓子店などに販売しているチョコレート製品をことし7月に値上げすることをすでに発表しています。
こうした中、酒井幹夫 社長は、10日の投資家向けの説明会で「われわれは全世界で40万トンのチョコレートを生産・販売している。カカオ豆が高騰する中、それぞれの国でどのように販売価格を設定していくかだが、基本的には原材料価格の上昇は販売価格に反映していきたいと考えている」と述べ、今後の取引価格の動向によっては製品のさらなる値上げを検討する考えを示しました。
そのうえで、酒井社長は「カカオ豆の高騰はリスクだが、植物性油脂を使ったチョコレートなど、さまざまなラインナップを提供することで需要を喚起していきたい」と話していました。
業務用チョコレートが値上がりすれば、今後、チョコレート製品や洋菓子などの小売価格にも反映される可能性があります。