8Kカメラで東京の手術を大阪から支援の臨床試験

8K=スーパーハイビジョンのカメラを使って、東京で行われているがんの手術を大阪にいる医師が遠隔で支援する臨床試験が行われました。

この臨床試験は、国立がん研究センターとNHK財団の研究グループが、8Kのカメラを内視鏡に搭載し、手術を遠隔で支援するシステムを開発しようと行いました。
9日は大阪・住之江区の「ATC=アジア太平洋トレードセンター」の会議室にモニターが設置され、東京にあるがんセンターの病院で行われている大腸がんの手術の様子が超高精細な画質で映し出されました。
システムはモニターの画面上にタッチペンを使って描いた内容が共有される仕組みで、大阪にいる指導医は、メスを入れる場所や「かんし」の動かし方などを画面に書き込んで指示していました。
研究グループによりますと、8Kの技術を使って手術を遠隔支援する臨床試験は世界初だということで、今年度中に5人の手術を行い、システムの有効性や安全性を確認するとしています。
指導医として大阪から手術を支援した国立がん研究センター中央病院の森谷弘乃介 医師は、「8Kの鮮明な映像なら細かな血管なども確認できる。地方でも充実した医療が提供できるよう開発を進めたい」と話していました。