大阪 ミナミの“グリ下” 若者支援するNPOが実態調査へ

大阪・ミナミの通称「グリ下」に集まる若者を支援しているNPO法人が記者会見し、背景に家庭内での暴力や虐待を抱えている若者が多くみられるとして、効果的な支援を検討するための実態調査を来月(6月)から始めることを発表しました。

大阪・ミナミにあるグリコの看板下の周辺は「グリ下」と呼ばれ、中高生を中心に若者が多く集まる場所として知られ、犯罪やトラブルに巻き込まれるケースも出ています。
グリ下の近くで支援拠点を運営するNPO「D×P(ディーピー)」は8日、大阪市内で記者会見を開き、これまでに支援拠点を訪れた70人から聞き取った内容として▼家庭内で暴力や虐待を受けたことがあると答えた人が6割に上ったことや▼平均年齢が18.1歳で最年少が13歳だったことなどを明らかにしました。
そのうえで、「グリ下」に集う背景を分析し、より効果的な支援を検討するため、若者たちへのアンケートを通して実態調査を行うと発表しました。
アンケートでは、支援拠点を訪れた若者を対象に、年齢や居住地、家庭環境などを尋ね、来月からことし9月ごろにかけて数百人規模で実施したいとしています。
NPO法人の今井紀明 理事長は「若者たちはさまざまな背景を抱えていると思う。調査を通じて支援の方向性や、根本的な問題の解決策などを行政とも連携して考えていきたい」と述べました。