「古事記」編さんした太安万侶の墓再整備へ 奈良

現存する日本最古の歴史書、「古事記」を編さんした太安万侶の奈良市にある墓について、県は新たな通路を設けるなどして再整備する計画案をまとめました。

太安万侶は、奈良時代の初めに現存する日本最古の歴史書「古事記」を編さんした人物で、昭和54年に奈良市の茶畑で、名前が刻まれた銅の板と本人と見られる遺骨などが納められた墓が見つかりました。
その後、墓まで続く通路などが作られて見学者が訪れるようになりましたが急傾斜なうえ、老朽化して安全面に問題があることから県が一帯を再整備する基本計画案をまとめ、公表しました。
案では、令和9年度までに現在より緩やかな傾斜になるようつづら折りの通路を整備して車いすの利用者なども見学しやすくするほか、転落防止用の柵も新たに設けられるということです。
県は、計画案に対する意見を広く募ったあと、ことし6月にも具体的な整備計画を策定することにしています。
県文化財課は、「歴史的に貴重な遺跡なのに、現状ではアクセスが悪く見学しにくい状況になっている。再整備することでより多くの人に訪れてもらえる場所にしていきたい」と話しています。