大きな荷物 持ち運びは大変・危険 ロッカー不足の対策は

「ほっと機動班」です。
大きな荷物を持った外国人観光客のみなさんを街でよく見ます。
大型連休もありますし、旅行者もさらに増えそうです。
重い荷物を持ったままだと歩行者とぶつかったり電車やバスの混雑につながったりすることもあります。
解決につなげようというサービスが広がっています。

【駅ロッカーから荷物配送】
国内の旅行需要が回復するなか、JR西日本は、手ぶらで観光を楽しんでもらおうと、ロッカーに入れた荷物を提携するホテルまで配送するサービスの実証実験を大阪市などで始めました。
この実証実験は観光客が大きな荷物を持って移動することで、歩行者とぶつかったり、電車やバスの混雑につながったりするケースがあることから、JR西日本などが手ぶらで街を歩いてもらおうと先月から大阪市と広島県尾道市で始めたものです。
このうち大阪市では▼JR新大阪駅や▼大阪駅、▼ユニバーサルシティ駅に専用のロッカーが設置され、午後2時までに荷物を預ければ、提携する市内のおよそ70か所のホテルに配送してくれます。
ロッカーは英語や中国語、韓国語にも対応していて、利用料は最も大きなもので、5月までは2300円、6月からは2800円となっています。
JR西日本イノベーション本部の吉本寛嗣さんは「このサービスでキャリーケースを持っているお客様の手ぶら観光を実現してもらい、キャリーケースを持って歩く人を減らしてオーバーツーリズムの解消にもつなげたい」と話していました。

【万博でも来場者の荷物対策 大きな課題】
来年、開催される大阪・関西万博でも来場者の荷物対策は大きな課題となっています。
そこで、実施主体の博覧会協会が調べたところ、会場への経路にある空港や主要な駅で、大型の荷物が入るコインロッカーはおよそ2200台あることがわかりました。
しかし、そのほとんどが空きがない状態で、空きがあったのはわずか8%にすぎませんでした。
博覧会協会は、鉄道会社などに荷物を預けられる場所をさらに確保するよう協力を求めているほか、来場者には荷物はホテルに預けるよう、呼びかけるなどして対策を進めることにしています。

【大阪 飲食店などで荷物預かるサービスが人気】
外国人観光客の増加などに伴い、大型の荷物を預けることができるコインロッカーの不足が各地で課題となるなか、大阪市では飲食店などの空きスペースを利用して荷物を預かるサービスが人気を集めています。
このサービスは東京のベンチャー企業が提供していて、スーツケースなどの大型の荷物を飲食店などの空きスペースに有料で預けることができます。
利用者は事前にインターネットで空いている場所を予約することで、コインロッカーを探さなくてすみます。
サービスを導入しているJR大阪駅にある旅行会社では23日も旅行客からスーツケースを預かり、店舗の奥にある空きスペースで保管していました。
この会社では、これまで1日最大5個の荷物を預かっていましたが、需要が高いことから今月から1日最大10個の荷物を預かれるようにしたということです。
日本旅行TiS大阪支店の藤本麻加さんは「空きスペースでビジネスができるし、荷物を預けられなくて困っているお客さんにサービスを提供できて、ウィンウィンの関係ができています」と話していました。
また、サービスを提供しているecboの工藤慎一 社長は「荷物を持ちながら観光するのは体力的に大変ですが、手ぶらで観光できれば購買行動にもつながります。多種多様な場所が預かり所になり得る可能性があるので増やしていきたい」と話していました。