滋賀県が野洲の特別養護老人ホームに１年新規受け入れ停止処分

滋賀県野洲市の特別養護老人ホームで、職員から利用者に顔や腕をたたくなどの虐待があったにもかかわらず、その事実を隠ぺいしていたとして、県は新規利用者の受け入れを１年間停止する処分を行いました。

県が処分を行ったのは、野洲市にある特別養護老人ホーム「野洲篠原すみれ園」と同じ敷地内にある短期入所生活介護事業所です。
県によりますと、この老人ホームは、職員から利用者への虐待行為があったとして、去年４月、市から行政指導を受けていましたが、その後、去年１０月までの間に▼顔や腕をたたくなどの身体的虐待や、▼利用者が介護を求めても「あなたの体が悪いから」と暴言を吐いて介護をしない心理的虐待など、３人の職員によるあわせて１５件の虐待行為が確認されたということです。
老人ホームの前の施設長はこれらの虐待行為を市に報告せず、職員たちに利用者の家族に「事故でけがをした」とうその説明をさせて隠ぺいしたということです。
県は、▼市の行政指導のあとも虐待行為が続いていたことや▼それを前の施設長が組織的に隠ぺいしていたことから介護保険法に基づいて新規利用者の受け入れを来月（５月）１日から１年間、停止する処分を行いました。
県の聞き取りに対し前の施設長は「市から指導を受けたあとも、連続で虐待が発生し言いづらくなって隠ぺいした」と話していたということです。