トラック運転手過労死 会社が遺族に謝罪と解決金で和解 大阪

5年前(2019年)、大阪にある運送会社のトラック運転手が運転中に心筋梗塞で亡くなったのは、長時間労働が原因だったなどとして、遺族が会社側に損害賠償を求めた裁判で、会社側が遺族に謝罪をしたうえで解決金を支払うことで和解が成立しました。

大阪・交野市の運送会社で働いていた京都府に住む52歳の男性は、5年前、業務でトラックを運転中に心筋梗塞を発症して死亡しました。
男性は亡くなる直前の1か月の時間外労働が、「過労死ライン」とされる100時間を超えていたことなどから労災と認定され、男性の母親が会社が長時間労働の対策を講じず、過重な業務を命じたなどとして5400万円余りの損害賠償を求める訴えを去年、大阪地方裁判所に起こしていました。
遺族側の代理人弁護士によりますと、この裁判について、会社側が遺族に謝罪をしたうえで解決金を支払うことで、今月(4月)、和解が成立したということです。
運送業のドライバーの働き方をめぐっては今月から時間外労働の上限規制が始まり、原則、年360時間以内、特別な事情がある場合は年960時間以内までとなり、長時間労働の是正が期待されています。
遺族側の代理人弁護士は、「もっと早く規制ができていれば男性の死は防ぐことができたのではないか。過労死の多い業界なので、今後も労働時間の管理に努めてほしい」としています。