橿原神宮「文華殿」保存修理中の内部の様子を公開

国の重要文化財に指定され、保存修理の工事が行われている奈良県橿原市の「文華殿」の内部の様子が一般公開されています。

国の重要文化財の「文華殿」は、江戸時代後期に今の奈良県天理市にあった柳本藩の藩邸の一部として建てられ、昭和42年に橿原神宮に移築されてからは結婚式場などとして使われてきました。
4年前から保存修理の工事が行われていて、20日から内部の様子が一般公開されていますが、これに先立って19日、報道関係者が撮影する機会が設けられました。
今回の工事では、藩主が客と対面するための「大書院」と呼ばれる部屋と、藩主の部屋を結ぶ通路が復元され縁側があった場所に幅1メートル、長さ5メートルほどの通路が設けられる予定です。
また、伝統的な木造建築で軒先を支えるための「はねぎ」と呼ばれる部分はふだん屋根瓦に隠れていますが、修理中の今は直接見ることができ80本もの木材で軒先を支えている構造を確認できます。
奈良県文化財保存事務所橿原神宮出張所の山下秀樹 主任は「屋根を間近で見たり、新しい基礎を見たりできるのは今回が最後になるので、ぜひご覧いただきたい」と話していました。
工事は再来年(令和8年)の1月まで続き、一般公開は20日・21日の2日間と4月27日から5月6日までの期間で行われます。