宝塚音楽学校で入学式 校長“組織風土を改革・改善したい”

兵庫県の宝塚音楽学校で19日、入学式が行われ、40人が舞台人への第一歩を踏み出しました。
校長は、去年(2023年)、宝塚歌劇団の劇団員が死亡した問題に触れ、「時代の変化に合わせて組織風土の改革や改善をしていきたい」と述べました。

19日の入学式には、112期生となる40人がグレーの制服姿で出席しました。
ことしは480人が受験し、倍率は12倍と2000年以降では最も低くなりました。
式の中で中西達也校長は、去年、25歳の劇団員が死亡した問題に触れたうえで「苦労や不安な思いもあったかと思いますが、誰よりも熱い気持ちで努力した結果、見事に合格されました。われわれも歌劇団と連携しながら、時代の変化に合わせて組織風土の改革や改善をしていきたい」と式辞を述べました。
続いて新入生代表の今井咲さんが「『清く 正しく 美しく』の教えを守りながら自覚と誇りを持ち、立派な舞台人になれるよう懸命に努力します」と抱負を述べました。
新入生たちは音楽やバレエなどのレッスンに2年間励み、タカラジェンヌを目指すことになります。
劇団員が死亡した問題をめぐっては、歌劇団側が先月(3月)、パワハラがあったことを認めて遺族側と合意書を締結したほか、伝統的に受け継がれていたルールや指導方法の見直しなどに取り組むとする再発防止策を発表しています。

【新入生“感謝忘れず努力”】
入学式の後、新入生の1人、森永涼さんは「ずっと夢だったグレーの制服を着て校歌を歌うことができ、本当に宝塚音楽学校の一員になれたのだという実感がわきました。爽やかでエネルギッシュな歌やダンスができるタカラジェンヌになりたいです。きょうの気持ちや、支えてくれた人への感謝の気持ちを忘れずに努力していきたい」と話していました。