びわ湖固有魚 ホンモロコが生まれた場所に帰る「産卵回帰」

びわ湖固有の魚、ホンモロコがサケと同じように、産卵のために生まれた場所に帰る「産卵回帰」を行うことが近畿大学などの研究グループの調査で分かりました。

コイの仲間のホンモロコは全長10センチほどのびわ湖固有の魚で、びわ湖の味覚の代表格とも言われています。
近畿大学や滋賀県などでつくる研究グループは、生態を詳しく探ろうと、2012年と2013年に目印を付けたホンモロコの稚魚、それぞれおよそ70万匹をびわ湖につながる内湖の西の湖付近に放流し、その後の行動を観察しました。
その結果、放流したホンモロコは、▼春から夏にかけて西の湖からびわ湖に移動し、▼その後、沖合で越冬したあと、▼冬から春にかけて、再び西の湖に産卵のために戻ってきていることが確認されたということです。
産卵のために生まれた場所に帰る「産卵回帰」はサケで知られていて、研究グループはホンモロコのようなコイの仲間で産卵回帰をすることがわかったのは世界で初めてだとしています。
研究グループの代表で近畿大学の亀甲武志准教授は「ホンモロコを増やすには産卵場所を守ることが大切だと分かった。資源がさらに回復して消費拡大が進めばうれしい」と話していました。