シャープ 大型液晶パネル一部製品 生産停止の方針固める

液晶パネル事業の低迷を踏まえ、「シャープ」は、大阪・堺市の工場で手がけている大型液晶パネルの一部製品の生産を停止する方針を固め、取引先に伝えていたことが関係者への取材で分かりました。
これによって赤字のさらなる拡大に歯止めをかける狙いがあるものとみられます。

シャープは、巨額の赤字となった2022年度に続いて、昨年度(2023年度)1年間の決算についても100億円の最終赤字になるという見通しを明らかにしていて、不振が続く液晶パネル事業の立て直しが課題となっています。
こうした中、シャープは、大阪・堺市にある子会社、SDP=「堺ディスプレイプロダクト」の工場で手がけている大型液晶パネルの一部製品について生産を停止する方針を固め、取引先に伝えていたことが関係者への取材で分かりました。
生産停止の具体的な時期については、取引先と協議したうえで決めるとしています。
SDPをめぐって、シャープは親会社のホンハイ精密工業側に株式を売却したあと出資比率を下げましたが、2022年6月に一転して再び株式を取得して完全子会社化していました。
液晶パネル市況の長引く低迷を背景にSDPは赤字が続いており、生産停止によって赤字のさらなる拡大に歯止めをかける狙いがあるものとみられます。
このほか、シャープは、パソコン向けなどの中小型の液晶パネルを生産している三重県亀山市の工場の建屋の一部の貸し出しなど、収益の改善のための取り組みを検討しています。